総合診療医育成支援制度について記者会見を行いました

令和4年10月27日に地域で育成する日本初の総合診療医支援制度について記者会見を行いました。

支援制度の概要

 

記者会見挨拶の要旨

津南町長    桑原 悠

新潟県と連携した地域の課題を解決する今までにない新たなプロジェクトについてお話をさせていただきます。

私は町長に就任し、町民の皆様の日々の生活を守り、 将来の津南を作る人を育てるという経営理念で町長を務めています。

本日お話しする地域医療や教育は、ソフト面の社会基盤だと考えています。経済活動の生産性を高める重要な基盤です。これを持続的に確保していくために、情熱を傾けてきました。

町唯一の病院であり、身近な医療の核となっている町立津南病院があります。

中山間地の町村で、直営で病院を経営していくことは、簡単なことではありません。

しかしながら、近隣自治体も含め地域住民の健康、幸せのために様々な工夫や努力を重ね、私も林病院長も、地域医療に大きなやりがいを持っています。

町民、地域の皆様からより安心で、満足していただける医療サービスを提供したいという思いです。

そのような思いで、地域医療と向き合っている中で医師を確保し、医師を地域で育て、働き続けていただくことが最も大きな課題の1つと感じています。

これは、日本の地方の首長が抱えている共通の課題です。

特に過疎地域で総合診療のニーズが高く必要としていますが、これまでたくさんの医師とお話をさせていただく中で、うまくキャリアを築けないという声をいただいています。

それであれば、新たなプログラムを作り、地域医療に携わりながら、総合診療の専門性を磨くための待遇を引き上げ、ビジネスや公衆衛生、また国際分野などより広い視野や専門性の獲得のための海外留学も後押しをしていきます。

また、医師の世界は研修の期間が長く、病院長などを経験するまでには、相当の時間がかかると聞いています。

津南町では今回の施策により、十分な教育体制とともに、(病院幹部などとして)大きな裁量を持てる仕組みを、新潟県とともに作らせていただきましたので、若い医師からも、ぜひチャレンジしていただきたいと強く思っています。

津南町は小さな町ですが、総合診療という分野に光を当て、日本の地域医療のモデルとなる機会となりましたら、これほど嬉しいことはありません。私たちとともに、地域医療の将来像をつくり、未来につなげてまいりましょう。

津南病院長   林 裕作

津南町のような地域は、非常に高齢化が進んでおり、総合的に患者さんを診ることができる総合診療医が、非常に必要だと考えております。

地域医療を総合的に行っていただける若い先生が今後ますます増えていくことが本当に大事だと思っておりますが、なかなか今の研修システムですと、若い先生が地域医療の方に進むキャリアというものがあまりないと考えています。

地域で総合診療をやりたいと思っていた先生も、大学で研修し手術など華やかな医療を経験する中で心変わりをし、専門医の分野に進まれる先生が多いというのが現状です。

今回、新潟県の松本部長さまからご指導をいただき、総合診療医を地域で育てていくプログラムを作らせていただいたことは本当に画期的なことだと思っており、この制度を利用して、若い先生が地域に来ていただいき、総合診療を学んでいただきたいと考えております。

このプログラムは、新潟県立十日町病院の総合診療プログラムの中で連携させていただいておりますが、十日町病院は、骨折から心不全、肺炎、救急疾患をもつ患者を非常にたくさん診ている総合病院です。

一方、津南病院は、少し小さい規模の病院で、軽度の急性期から在宅医療などを担っている病院であり、この2つの病院を組み合わせることで、非常に総合診療のスキルが高まると考えていますので、ぜひご活用いただければと思います。

最後に、(津南病院が)日頃からお世話になっております東京慈恵会医科大学付属病院の総合診療プログラムとの連携も今後は検討してまいりたいと考えております。